武岡龍世、これからの4カ月

フェニックスリーグの奮闘が未来に繋がりますように
10月も、もう終わろうとしています。
神宮球場でのペナントレースは終わりましたが、宮崎ではまだフェニックス・リーグが続いています。武岡龍世選手も、今なお白球を追いかけています。昨日26日の日本ハム戦では、8回に逆転の2ランホームラン。スワローズは3対2で勝ちました。
いいぞ、武岡。そんなふうに思いながら、僕はまた、あの言葉を思い出していました。
「この期間に人生を変えたいと思っている。そのぐらいの覚悟で頑張っていきたい」
2025年4月、主力選手の故障が相次ぎ、出場機会を得た武岡選手が口にした言葉です。僕はこの発言が忘れられません。実際、これまでこのニュースレターで何度も武岡選手について書いてきました。自分でも「また武岡の話か」と思うぐらいに(笑)。
未読の方は、ぜひこちらからご覧ください。「武岡記事」が一覧で並んでいます。
昨年6月6日のホークス戦。延長10回のサヨナラホームランには、心底しびれました。あの一発を見たとき、「いよいよ人生が変わるのかもしれない」と興奮しました。でも翌日のニュースレターで、僕はこうも書いています。たった一度のホームランで人生が変わるほど、プロ野球は甘くない、と。
今年2月、地元・徳島の四国放送が武岡選手のインタビューを放送しました。
昨オフは自ら近藤健介選手に頼み、合同自主トレに参加。技術はもちろん、あれほどの一流選手が、実に繊細に練習に取り組む姿から刺激を受けたと話していました。
そして、彼が掲げた具体的な目標は、一軍で100試合以上に出場すること。ただ試合に出たいのではない。守備固めではなく、最初から最後まで任せてもらえる、信頼される選手になりたいと言いました。
この言葉を改めて読むと、彼が求めていたものがよくわかります。
実際、今年の武岡選手には何度も胸が躍りました。4月末から5月にかけての活躍。5月2日のサヨナラヒット。難しい打球をさばく守備。以前よりも、どこか堂々としているように見える姿。もしかしたら今度こそ。そう思わせてくれる場面が確かにありました。
6月19日の広島戦では、プロ入り後初めての1試合4打点を記録しました。その日の『日刊スポーツ』に、印象的な記事が載っています。
題して「おかわりティー」。通常の練習を終えたあとも、打撃の感覚に納得がいかなければ、もう一度バットを握り、正面から投げてもらうティー打撃に取り組むというもの。これは今年急に始めたことではなく、二軍時代、大松尚逸コーチに熱心に指導してもらっていた頃から続く習慣だそうです。「うまくいかないなら、もう一度」。そんな姿が目に浮かびます。
そうか。やっぱり武岡は、前に進もうとしているんだな。改めて実感します。
数字にも成長は表れています。昨年は47試合に出場し、打率.183。今年は98試合、打率.223、4本塁打、27打点。出場機会は倍以上に増え、成績も上向きました。「何も変わっていない」などとは、僕にはとても言えません。
ただ、春先に掲げた100試合には、わずか2試合届きませんでした。
しかし——。
武岡選手は確かに成長した。でも、あの日の「人生を変える」という言葉を実現できたのか。僕の答えは、残念ながら「まだ」です。


