あのときの3人と、これからの3人と
2026年のスワローズを振り返ったとき、どうしても忘れたくない光景があります。
シーズン終盤の神宮球場。ふとスコアボードに目をやると、そこには3人の若者の名前が並んでいました。
田中陽翔、西村瑠伊斗、松下歩叶。
まだまだ駆け出しのヤンスワたちです。

明るい未来、世界の松下
シーズン後半になって、この3人がスタメンに名を連ねるようになってから、神宮での野球観戦が俄然、楽しくなりました。もちろん、彼らが打席に立てば必ず打ってくれるわけではありません。まだまだ未熟だし、失敗も多い。それでも、3人の打席が巡ってくると、何だかワクワクします。ドキドキします。
何かが起こりそうな予感がする。何も起こらないことも多いけれど(笑)、結果がどうであれ、勝敗がどうであれ、彼らの打席を見ること自体が楽しみになっていました。2026年シーズン、これは僕にとって大きな収穫の一つでした。
そして、この3人の名前が並ぶスコアボードを見ているうちに、僕は数年前に撮影した写真を思い出しました。それが、こちらです。

スーパースター夢の競演
青木宣親、山田哲人、村上宗隆。
リーグ連覇を果たした2022年スワローズのスコアボードです。何とも豪華な顔ぶれではありませんか。ホントはきちんと正面から撮った写真があったのですが、どうしても見つからず、サイドからの写真となってしまいました。
この写真を撮ったとき、僕は確信していました。
(間違いなく、数年後にこの写真を見たとき、『スーパースターが3人も並んでいた、ぜいたくな時間だったんだなぁ……』と感慨を抱くだろう)
僕はかれこれ約50年間、スワローズを応援し続けてきました。その間、本当に多くの名選手、スター選手たちを見てきました。それでも、この3人が並ぶ光景は、とりわけ特別なものでした。
青木も、山田も、村上選手も、ヤクルトという枠を超えて、日本プロ野球の歴史に名を残す大スターです。そんな3人が、同じ時代に、同じチームに所属し、同じグラウンドでプレーしていたのです。これって、ものすごいことだと思いませんか?
球史に残るスーパースターが、同時に、しかも3名も存在していたこと。
僕が言いたいのは、まさにその特別さです。2021年、2022年のリーグ連覇の頃、僕たちは当たり前のように、その姿を目にしていました。なんて贅沢な時間だったのでしょう。
ただ、ここで一つ、自分自身に言い聞かせておきたいことがあります。
どれほど素晴らしい光景でも、毎日のように見続けていると、いつしかそれが当たり前になってしまう。人間というのは不思議なもので、憧れの選手のプレーも、毎日見ているうちに日常の風景になってしまう。感覚が麻痺してしまう。「そこにいて当然」という感覚になってしまう。そして、失って初めて、そのありがたさに気づく。
大好きだった選手が引退して、「ああ、やっぱりすごい選手だったな」「もっとちゃんと見ておけばよかった」と思うことが何度もありました。