「はなれていても いつでもともだち。」と、つば九郎は言った
突然の悲しい知らせから、一週間が経過した。心に空いた大きな穴はまったく埋まる気配がないまま、2月も終わろうとしている。この間、いくつかの週刊誌から、「つば九郎の知られざるエピソードを教えてください」という依頼をもらった。でも、申しわけないけれど、そのすべてを断っていた。まだ心の整理がついていなかったからだ。そんな折、五十嵐亮太さんのマネージャーがXで、こんな投稿をした。

楽しい気持ちにもなるので【永久保存版】是非ご覧ください。
youtube.com/watch?v=OzcMLI…
五十嵐亮太さんの公式YouTubeチャンネル「イガちゃんねる 〜五十嵐亮太の人生は旅だ〜」の「ある動画」を紹介するポストだった。動画のタイトルは「【永久保存版】球界No.1マスコット「つば九郎」が暴露トーク連発!五十嵐と一緒に空中くるりんぱに挑戦!!」と題されている。
……じつはこの動画に、僕も参加させてもらっている。昨年秋、日本青年館ホテルで行われた収録にお呼ばれして、一緒に出演させてもらったのだ。つば九郎にはそれまで何度も会っていたけれど、こうして「収録」という形で「共演」するのは初めてのことだった。
おどおどしている自分の姿を見るのは好きじゃないので、公開直後に一度だけ見て以来、その後は一度も見返すことはなかった。さらに「つば九郎を支えてきた社員スタッフ」の訃報を受けて、もう二度と見返すことはないと思っていた。
しかし、五十嵐さんのマネージャーのポストを見て、4カ月ぶりに視聴することにしたのだ――。
……およそ18分間の映像。あっという間だった。あの日のつば九郎の姿が鮮やかによみがえってきた。僕が「ごまさば」と言ったとき、言葉には出さずとも、「そうそう!」とつば九郎が同意してくれたのがよくわかった。酒呑みには酒呑みにしかわからない喜びとこだわりがあるのだ。視聴を終えた僕は、Xにこんな投稿をした。

本心だった。本当は「見たくなかったし、見られなかった」。でも、見てよかったと思った。そこには、元気なつば九郎、腹黒いつば九郎、お茶目なつば九郎、愛らしいつば九郎の姿があったからだ。収録時間は事前の準備、終わってからの「雑談」を含めて、正味一時間程度だったけど、僕にとって貴重な、そして濃厚な一時間となった。
つば九郎の元気な姿は、イガちゃんねる以外にもたくさん記録されている。今はまだこれまでのように、明るい気持ちで見ることはできないけど、いつでも彼の姿に触れることができるのは嬉しい、心強い。ふと、そんなことを思った。
明日から3月が始まる。オープン戦が本格化し、気がつけばあっという間に開幕を迎えることだろう。選手たちも、少しずつ臨戦態勢を整えていくはずだ。ファンとしても、少しずつ来るべきシーズンに向けて心と身体を整えていくこととしよう。
いつまでも、後ろ向きな思いのままではいられない。いちゃいけない。久しぶりにつば九郎の出演する動画を見て、改めて認識した。僕たちにはつば九郎がいる。いつでも、どこでもつば九郎がいる。彼はいつも言っていた「はなれていても いつでもともだち。」、と。
これまでは、移籍した選手、引退した選手に対して、つば九郎はいつもこの言葉を発していた。今度は、僕たちがこの言葉の意味を噛み締めるときだ。「はなれていても、いつでもともだち。」、そう、僕たちはつば九郎とはいつでも友だちなのだ。いつまでも友だちなのだ。
……そうは思いつつ、いざ開幕したらどんな気持ちになるのか、自分でもまったくわからない。今はただ、「はなれていても、いつでもともだち。」、この言葉をただただ噛み締めるだけだ。久しぶりに動画を見返してよかった。心から、そう思った。
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