つば九郎に人生相談をしたあの日……
スポルティーバ・「つば九郎の人生相談~とりですが。」より
昨日は、沖縄の小料理屋でしみじみとグラスを傾けました。気がつけば、ついついつば九郎のことを考えていました。あれから一年、早かったような、長かったような、不思議な感覚のまま、強めの泡盛を静かに呑みました。
以前も、このニュースレターで書きましたが、僕は、スポルティーバの「つば九郎人生相談~とりですが。」の構成を担当していました。いや、「構成」ではなく、「話し相手」を務めていました。さだまさしさんはしばしば、「僕は燕語をしゃべれるんです」と言っていますが、僕もまた取材を通じて、僕も「燕語」を勉強しました。
この連載は文字通り、読者からの質問に対して、つば九郎が縦横無尽に的確なアドバイスをすることで、開始直後すぐに人気連載となりました。この件については、昨年のニュースレターでも書きました。あれから一年が経過したのだと、改めてしみじみしてしまいます。
この連載は全65回続きました。悩める多くの人たちの心の支えになったのではないかと思っています。実はこの65回の中に、僕の個人的な悩みが1回だけあります。それが、この回です。
僕が尋ねたのは、「断る勇気がなくて何でも仕事を引き受けあとで苦労をしています。角を立てずに断る方法を教えて」というものです。フリーライターとして、いろいろな媒体からオファーが来るのは本当に幸せなことです。だから、「すべての依頼に応えよう」という思いでずっとやってきましたが、50代を迎え、「そろそろ自分のやれること、やりたいことをきちんと見極めなければ」、そんな思いが芽生えていました。
ということもあり、僕の個人的な悩みをつば九郎にぶつけてみました。同様の悩みが読者からも寄せられていたので、「これはいい機会だ」と自分の思いを打ち明けました。その回答は、この記事を読んでいただきたいのですが、忘れられないのは「回答後」のやり取りです。僕は言いました。
「実はこの質問、僕が今、個人的に悩んでいることなんです」
僕としては、「なんだ、長谷川さんの個人的な悩みですか(笑)」と、笑い話になると思っていたのですが、実際はそうではありませんでした。かなり真剣なトーンで、「あぁ、そうなんですね。その気持ち、よくわかります」と、つば九郎は言いました。
彼は言いました。「その気持ち、よくわかります」と。ということは、彼もまた同じ問題を抱えていたということでしょう。