苦悩する赤羽由紘、池山監督の思い

それはかつて見た「あの光景」の再来なのか?
はせがわ 2026.03.06
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WBCが始まりました。今大会は地上波での放送がなく、Netflixのみでの配信となりますが、前回大会同様の熱狂を生み出すことができるのか? 侍ジャパンはどんな戦いを見せてくれるのか? 仕事場のNetflixをフル稼働しながら、決勝までの2週間弱を過ごしたいと思います。ホームランが飛び交う、初日の韓国戦も面白かった。

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写真・太田裕史

写真・太田裕史

さて、スワローズは昨年日本一の福岡ソフトバンクホークスを相手に3連戦を戦い、1勝2敗という結果に終わりました。制球がばらついたり、打たれたシーンもあったけど、3戦ともおおむね投手陣は好投し、それぞれが持ち味を発揮していました。まだ打者の目が慣れていないこともあり、春先のこの時期は「投高打低」であることが多いものの、(現時点では)質量ともに、充実の先発陣が期待できそう、いや、期待したい思いでいっぱいです。

それにしても、スワローズ打線はなかなか爆発しないですね。とにかく長打が出ない。コツコツと単打でつないで、少ないチャンスをものにしていく。故障者が復帰してくるまでは、辛抱強く戦っていくしかないのでしょう。

かつての池山隆寛を思い出しつつ……

さて、「辛抱強く」と言えば、赤羽由紘選手の起用が波紋を呼んでいます。昨日の「サンスポ」で、『ヤクルト・池山監督、4番起用の赤羽由紘に「野手の中でレベルを上げてもらわないといけない選手」』という記事が配信されました。

この記事の中で、池山監督は赤羽選手について、こんな言葉を残しています。

池山隆寛監督(60)は「今の打線にとって、野手の中ではやはりレベルを上げてもらわないといけない選手だと思っている。期待の意味も込めて(4番にしている)」ときっぱり。「なかなか簡単にいくものではないと思うけど、4番の意味や意図を分かりながら、自分で壁を乗り越え、チャンスをものにしてもらいたい」と思いを明かした。

サンスポ

池山監督の気持ちはよく理解できます。打線の主軸に据えたいと考えていた内山壮真選手が離脱し、期待のルーキーの松下歩叶選手、石井巧選手も不在。試したかった構想が何もできないまま現在に至っています。だからこそ、オープン戦の今こそ、赤羽選手には「自分で壁を乗り越え、チャンスをものにしてもらいたい」と期待し、たとえ結果が出なくても辛抱強く、しかも四番で使い続けているのでしょう。

こういうときにヤフーコメントは、ライターとして参考になります。ファンの方が何を思い、どんなことを考えているのか、原稿を書く際に参考にすることもしばしばあります。

ここで述べられているコメントを読むと、この起用については否定的な意見が多く見られます。ここに書かれている意見は「その通りだよな」と思えるものも多いし、現時点で結果を残せていない赤羽選手に対しての苛立ちが募っているのも理解できます。

ここまでのオープン戦6戦で、19打数2安打、打率は・105で、三振は8つ。確かに物足りない。何よりも表情が曇っていて、精神的に追い詰められている感じが画面越しにも伝わってくるのが気がかりです。思わず、「もっと元気出せよ!」と言いたくなります。

古い話になるけれど、1987年、就任したばかりの関根潤三監督は若き日の池山隆寛を使い続けました。たとえ結果が出なくても、いくら三振をしても、関根さんは頑なに池山を外そうとはしなかった。

生前の関根さんに話を聞いたことがあります。このとき関根さんは言いました。

「それぐらい池山が魅力的な選手だったからですよ。コイツを一人前にするのがオレの仕事だ。そんな思いでしたから」

個人的な感想かもしれないけれど、いくら三振ばかりしていようとも、あのときはそれでも確かに希望がありました。当時高校生だった一ファンの僕でさえ、「この試練を乗り越えれば、いつかはスター選手になるはずだ」と確信していました。そして、続く野村克也監督時代に、それは現実のものとなりました。あのときの池山選手と、現状の赤羽選手を同列に比較することはできないけれど、とにかく「池山選手」はカッコよかったし、輝いていました。

池山監督に「関根監督のような我慢はできますか?」と尋ねる

ヤフーコメントを見ていると、「赤羽ではなく○○を使え!」という声が目立ちます。「○○」に入るのは北村恵吾選手、モイセエフ・ニキータ選手、あるいは澤井廉選手であったり、いわゆる長距離砲、いわゆる「ロマン砲」タイプの選手の名前が挙がっています。

かつての池山選手のように「三振か、ホームランか」というタイプのバッターであれば、たとえ凡打に終わっても、「芯に当たればホームランだ」という希望が見出せます。結果がよくても悪くても、とにかく「見ていて楽しい」、かつての池山隆寛はそんな選手でした。

彼らの名前が挙がるのはもっともだし、僕自身も左のニキータ、澤井、右の北村が覚醒してくれれば、長打力不足の解消の一助になると大いに期待しています。3人まとめて覚醒するぐらいでないと、大きすぎる「村上の穴」は埋められません。

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