「われら家族の名前はスワローズ」——「家族」と「カゾク」
昨日は緊張感あふれる一戦となりました。最後は生きた心地がしなかったけれど、投打ともに粘り強く、1点にこだわる好試合となりました。
個人的な感想で言えば、ここ最近、勝敗は別として、かなり粘り強い戦いが見られるようになり、春先のどんよりした気分から、少しずつ解放されているような気がします。
さて、一夜明けた本日、これまで何度かお伝えしてきたように、新刊『つばめがえし』が発売となります。スワローズクルー名誉会員であるさだまさしさんとの共著で、「どうして僕らはこんなにスワローズに魅せられるのだろう?」ということを主題として、とことん語り合いました。
おかげさまで、Amazon、楽天ともに1位を快走しています。瞬間最大風速かもしれないけれど、幸先のいいスタートを喜んでいます。
さださんと意見が一致したのは「スワローズも好きだけど、スワローズファンも好き」ということでした。この本には、さださんが本書のために書き下ろした「応燕歌」の『つばめがえし』、そして以前に発表された『つばめよつばめ』の2曲が収録されたCDが付属されています。
どうして、この曲ができることになったのかという点については、本書を読んでいただきたいと思いますが、さださんが作詞した『つばめよつばめ』『つばめがえし』には、こんな一節があります。
家族のように支え合う
仲良しチームもファンも人が好すぎるんじゃない?(『つばめよつばめ』)
われら家族の名前はスワローズ(『つばめがえし』)
いずれも「家族」という言葉が含まれています。『つばめがえし』の歌詞を初めて見たとき「われら家族の名前はスワローズ」というフレーズが印象に残りました。おそらく、担当編集者もそう思ったのでしょう。このフレーズは、完成した本の帯にも大きく謳われています。ちなみにこの編集者も大のスワローズファンです。
スワローズはしばしば「ファミリー球団」と言われます。そこがこの球団の大きな特徴であり、美点であり、誇るべき魅力である一方、もちろん、「ファミリー体質」の弊害もあります。
『つばめよつばめ』で、「家族のように支え合う 仲良しチームもファンも人が好すぎるんじゃない?」と歌われているように、「何としてでも勝つ」「必ず勝たねばならない」「負けは絶対に許されない」という思いが希薄である感は否めません。「家族仲良く」が大切にされるということは、必然的にチーム内の競争は鈍化することになってしまうかもしれません。
特に、ここ最近はそんなことを強く考えてしまいます。というのも、SNS上でしばしば「カゾク」「かぞく」という表現を目にすることが増えたからです。「家族」ではなく「カゾク」です。