山田300号、石山三者連続三球三振、そして五割復帰!

先週の今頃とは雲泥の差となる、目覚めのいい朝となりました。桜も満開となり、春のキラキラとした陽気と清風が心地いい春本番となりました。開幕3連戦の悪夢を振り払うかのように、本拠地・神宮球場に戻ってからのスワローズの戦いぶりは、いずれも見どころの多い試合が続いています。昨日の試合も、ホントによかったなぁ、しびれたなぁ。
前夜は4時間25分という長丁場で、何とか引き分けに持ち込んで迎えた昨日の試合。延長12回引き分けからのデーゲームという過酷な状況下ではあったけれど、それでもスワローズナインは躍動しました。注目の新外国人・ランバート投手も6回無失点と安定したピッチングを披露しました。報道によると5種類の変化球を操っているとのことで、6回の無死満塁の大ピンチを切り抜けるショートゴロはスイーパーだったそうです。神宮からの帰宅後、改めて映像で確認しましたが、ナックルカーブとスイーパーは、なかなか打ちづらそうで、次回登板にも期待がもてます。
中継ぎ陣も見事でした。開幕戦で悔しい思いをした清水昇、田口麗斗両投手が見事に無失点でバトンを繋ぎます。開幕から1週間が経過し、ようやく万全の体調に戻りつつあるのでしょうか? 若干のタイムラグはあったものの、彼らが本来の力を発揮することができれば、中継ぎ陣にも光明が差してきます。そして、今季は絶好調の石山泰稚投手が見事に試合を締めくくりました。
2日の広島戦、4日の中日戦のブルペンの稼働状況を見ていて、「ひとまず石山を抑えにするんだな」ということは理解していました。だから、昨日の試合でも8回に石山投手がブルペンに入ったとき、「今日も頼むぞ」とひそかに念を送りました。しかし、僕のささやかな念などまったく必要もないほど、昨日の石山投手は無双状態で、かつて「石山本願寺」「石山和尚」と呼ばれていた頃の輝きを披露してくれました。
中日の上林、細川選手を三振に斬って取った瞬間、僕は後ろ席の常連さんと「6球全部ストライクですよ!」と顔を見合わせました。続く石川選手に対しても三球三振で打ち取った瞬間には、前の席の常連さんと「ウヒョヒョヒョヒョ」と声にならない笑い声を挙げながらグータッチを交わしました。マンガでしか見たことがなかったけれど、人は浮かれすぎると、本当に「ウヒョヒョヒョヒョ」と笑うのだということを初めて知りました。
なんと、三者連続三球三振。わずか9球で見事に今季初セーブ、通算91セーブ目を記録となりました。この偉業を、英語では「イマキュレートイニング」ということは後で知りました。「イマキュレート」とは「完全無欠の」とか「汚れのない」という意味があるそうです。「汚れのないイニング」、高貴で高潔なすばらしい言葉です。僕も「イマキュレートパーソン」を目指して日々、精進しよう。石山投手の偉業から、我が身をただすきっかけもいただきました。
ここまで4試合に登板して、いまだ防御率は0.00。打者12人に対して6奪三振というすばらしい成績を残しています。石山投手は88年生まれ。そう、あの「ハンカチ世代」であり「マーくん世代」でもあります。坂本勇人選手や田中将大選手が注目されることが多いけれども、スワローズにも88年生まれのスターがいます。今年37歳になるベテラン右腕に、今年も大いに助けられることでしょう。
さてさて、前置きが長くなりましたが、ようやく本題です。山田哲人選手に、今季初安打にして、今季1号、通算300号が飛び出しました。そしてこれは神宮球場での通算167号となり、池山隆寛さんに並ぶ歴代トップタイとなりました。池山さんの通算ホームランは304本。山田選手が追いつき、追い越すのは時間の問題でしょう。昨年秋、僕は池山さんに生涯通算ホームラン、神宮最多ホームランについてインタビューしました。