「僕は野球に関して、諦めたことがない」
みなさんこんにちは。オールスターゲームとペナントレースの間の「空白の一日」の週末、いかがお過ごしでしょうか?
さて、後半戦のスタートを控え、本日、アルファポリス髙津監督連載「髙津流マネジメント2025」第9回が更新されました。今回のテーマは、先週土曜日、7月19日に今季初勝利を挙げた奥川恭伸投手について。「ヤンスワ」と呼ばれる若手選手たちについて。そして、後半戦への意気込み。この3テーマを尋ねています。
詳しくは本文を読んでいただくとして、記事では触れなかったこと、取材時に感じたことを、今回はまとめてみたいと思います。
奥川投手の今季初勝利については、もちろん明るい口調で振り返ってくれましたが、意外だったのが、「今季開幕戦先発に指名したこと」について、「それがよかったのか、悪かったのかは今はまだわからない」と口にしていたことでした。
結果的にここまでずっと白星を挙げることができなかったのも事実だし、途中、ファームでの調整を余儀なくされたのも現実です。それに対して、監督は言いました。
「彼には辛い時間をこちらから与えてしまった部分もあった」
なるほど、そんな考え方もあるのか……。僕は、そう感じました。「なかなか勝てずに焦っていたであろうこと」「ファームで試行錯誤する日々を過ごさざるを得なかったこと」については、厳しい言い方になるけれども、あくまでも結果を出すことができない奥川投手本人の問題だと、僕は考えていました。
監督の言うように、「開幕投手に指名したこと」「ファーム行きを命じたこと」は、確かに「こちらから与えてしまった部分」かもしれません。それでもやっぱり、「プロである以上、結果を残すことができなかった本人の問題である」と僕は思っています。
そして、これまでの監督の発言、考え方を考えると、「監督もまた同じ考えだろう」と、僕は勝手に思っていました。しかし、監督の言葉には多少の「反省の弁」のようなニュアンスが滲んでいました。監督就任以来、6年にわたって話を聞いていて、それが僕にはとても意外な気がしました。
それは「ヤス(奥川)だから」なのか、「最近そんな考えに変わった」のか、それとも「元々、そんな考えだったのか」はわかりませんが、すごく新鮮な響きを持って、僕の耳に届きました。
とはいえ、奥川投手の話題では、終始、明るいトーンで、「後半戦もどんどん起用していきたい」と語っていた姿が印象的でした。さらにこんな言葉もありました。
「僕は“無駄なんてない”と思っているし、“常にいい方向に向かっている”と思って、その都度判断しています」
自分のことに関しては「究極のネガティブ思考」と言いつつ、選手たちについて、特に若い選手たちには常にポジティブ思考であろうと意識しているのも、髙津監督の大きな特徴の一つです。
その一方、「ヤンスワ」たちに対しては、彼らの成長をたたえつつ、その一方ではさらに成長するための「注文」も多くありました。