石川雅規からの「最後の」LINE

さらばバディ、ありがとうバディ
はせがわ 2026.09.02
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本日の日刊スポーツより

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昨日の昼下がり。一心不乱に原稿を書いていた。マナーモードにしていた手元の携帯が「ブルブル」と小さく振動する。チラリとディスプレイを確認する。

……石川雅規からのLINEだった。その瞬間、僕は身構える。

(ついに、決めたのか……)

中身を確認する前に、すでに僕は覚悟を決めていた。このタイミングでのLINE。考えられる内容は一つしかない。かねてより石川は言っていた。

「もしも引退するときは、《バディ》のお二人には必ずお伝えします」

「バディのお二人」とは、僕と、石川連載の担当編集者のことだ。律儀な石川は、必ずこの言葉を忠実に実行するはずだ。先週の屈辱的なノックアウトを受けて、石川からの連絡。やはり、考えられる内容は一つしかない。

恐る恐る携帯を手に取る。LINEにアクセスする。想像以上に長い文面だった。全部を確認する前に「あるフレーズ」が視界に飛び込んできた。

「現役引退」

長い文章にも関わらず、なぜか「現役引退」の文字だけが、真っ先に目に飛び込んできた。「覚悟」はすぐに「諦念」へと変わる。諦めの気持ちとともに、石川からのメッセージを目で追った。そこには、気持ちのこもった丁寧な感謝の言葉が並んでいた。

もちろん、僕や編集者だけではなく、数多くの人たちに連絡をしているはずだ。それでも、彼からのメッセージは単なるコピペではなく、僕や編集者、つまりは「バディ」に向けた心からのメッセージだった。そこには、こんな思いが綴られていた。

「お2人との取材。最高に楽しく、自分の考えが復習できて、有意義すぎるキラキラタイムでした」

「キラキラタイム」という彼独特の言葉遣い。シンプルだけど、ストレートに思いが伝わる素敵な言葉だった。そして、僕たちへの感謝の言葉が続いた。彼は一体、何人の人とこうしたやり取りをしているのだろう。相当数であるのは間違いない。

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