髙津臣吾監督、自身の退任を語る

本日更新・髙津監督連載、そのインタビュー中のこと
はせがわ 2025.09.12
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アルファポリス・東京ヤクルトスワローズ 髙津流マネジメント2025 第12回より

アルファポリス・東京ヤクルトスワローズ 髙津流マネジメント2025 第12回より

アルファポリス連載・東京ヤクルトスワローズ 髙津流マネジメント2025 第12回が本日公開されました。今回のタイトルは「髙津監督が、自身の「退任」を語る――「野球人としてこれ以上ない幸せを味わえた」」となっています。

今回は、9月1日の退任報道後、最初のインタビューとなりました。2020年の監督就任以来、定期的に話を聞き続けて6年目となりました。2020年春に「就任の意気込み」聞いて以来、ずっとインタビューを続けてきましたが、ついに「退任の心境」を尋ねることとなりました

開口一番、監督は言いました。

「……まぁ、そういうことになりました」

その口調は明るく、実にサバサバしたものでした。もちろん、「あえて明るく振舞おうとしている」のだと僕は理解していました。そこから退任に至る経緯、(シーズン途中ではありますが)今シーズンの反省、さらには過去6年間の思い出を立て続けに尋ねました。

詳しくは以下の記事をお読みください。

話は多岐にわたり、この一回分だけでは収まりきらず、次回更新分でも「退任の心境」について掲載することとしました。本日公開分は、「その1」という位置づけで読んでいただけると幸いです。

***

さて、本日更新分では2点印象に残ることがありました。まずは、僕が発した「問い」を引用しましょう。

――監督がまだ現役だった頃、チームの黄金時代を支えた功労者であるにもかかわらず、退団セレモニーもないまま、不本意な形でチームを去ることとなりました。「もう二度と、スワローズに戻ることはないだろう」という声もある中で、スワローズに戻ってきました。監督としてチームを去る際には、あのときのような終わり方を迎えてはいけない。個人的にはそんな思いがあります。

これは多くのスワローズファンが感じていたことだと思います。現役時代、スワローズを去る際の髙津投手に対する球団の対応はあまりにも礼を失するものでした。よくよく考えてみたら、この件について、これまで監督に尋ねたことはありませんでした。

この連載は、あくまでも「監督としての胸中を尋ねるもの」で、現役時代のことはメインテーマではなかったということもありますが、なんとなく「触れてはいけないのだろう」と漠然と感じていたこともまた事実でした。

しかし、こちらのそんな思いとは裏腹に、監督は「あんまり過去のことを振り返るのもよくないかもしれないけど」と前置きをしつつ、静かに語り始めました。

髙津 正直言えば、現役時代にスワローズを退団したときには「もう100パーセント、ヤクルトに戻ることはないだろう」と思っていました。結果的には戻ってきたわけだから、「100パーセント」ではなかったけれど、そのぐらい当時は複雑な感情を持っていました。あの時の悔しさがあったから、僕はその後も韓国でプレーしたり、台湾に行ったり、最後は独立リーグに行ったりしたというのが本当のところでした。野球に対する情熱がよみがえってきたし、「このままじゃ終われない」という思いで、その後もプレーを続けることができました。だから、一概にあのときの出来事がマイナスだったかと言えば、必ずしもそうではないと思っています。

静かなトーンでしたけれど、その言葉は饒舌でした。次から次へと、あのときの思いが言葉となってあふれ出てきました。そして、故衣笠社長(当時)の説得を受け、スワローズに戻る決意をする場面では、さらに熱い言葉が続きました。詳しくは連載記事を読んでいただきたいのですが、この言葉を聞きながら、僕は思っていました。

(本当にあのときのことは悔しくて、そして衣笠さんの言葉が嬉しかったのだな……)

それは、過去6年のインタビューにおいても、屈指の忘れられないやり取りでした。

***

そしてもう一つ印象に残ったのが、最後に掲載したやり取りです。僕は尋ねます。

――残り試合も20試合を切りました。まだ在任期間は残っていますし、試合も続きます。残り試合で、監督としてやるべきこと、達成したいことがあれば教えてください。

質問の意図としては、「残り試合で髙津監督はどんな野球を見せてくれるのだろう?」ということと、「未来のスワローズのために、どの若手を抜擢するのだろう?」ということを知りたかったからこその質問でした。しかし、監督の答えは意外なものでした。

監督の口から出てきたのは「石川雅規、川端慎吾、そして塩見泰隆」だったからです。

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