「人生を変える」、それぞれの第一歩

本日のサンスポ
おはようございます。気持ちのいい朝となりました。気分が高揚しているためなのか、単なる加齢によるものなのかはわかりませんが、朝5時過ぎに目覚め、すぐに朝刊をチェック。宅配で『日刊スポーツ』を取っているのですが、モイネロ選手がメインの記事だったので、すぐにコンビニに行き、『サンスポ』を購入。
そこには、昨日の感動が一面に大きく凝縮されていました。まさか、32年前の「伊藤智の悪夢」と比較されているとは思いもしなかったけど、「言われてみれば、確かに……」と納得しながら読み進めていきました。
9回裏・オスナ選手の「打った瞬間確信弾」は最高でした。相手のレフトが一歩も動かず、打球の行方を確認もせず、ただただ立ちつくしている姿が印象的でした。そして、10回裏・武岡選手の「人生初サヨナラ弾」は鳥肌もの、失禁ものでした。「こういう試合があるから、スワローズファンをやめられないんだよ」と改めて再認識した次第です。
この『サンスポ』の記事にもありますが、主力選手の相次ぐ離脱が続く中で、武岡選手は「この期間に人生を変えたい」と公言しました。スタメン起用も増え、本人も並々ならぬ決意とともに試合に臨んでいたことと思いますが、それでもなかなか結果は出ませんでした。
極度の打撃不振もあり、5月18日には二軍降格の屈辱も味わっていました。この間の彼の姿を見ていて、「人生を変えるんじゃなかったのかよ……」と歯がゆい思いを抱いていました。それでも、再び一軍に戻ってきてから、以前にもまして泥臭いプレーが目立っていました。
そして昨日、再三にわたる好守があり、そしてあの劇的なサヨナラホームラン。彼にとって、「人生初」となる殊勲の一発だったそうです。昨日の試合後、僕はXでこんなポストをしました。

ひと晩たった今も、まさにこの思いです。昨日の一発で、「これで人生が変わった」とは思いません。人生を変えるのはそんなに簡単なことじゃない、そう思うからです。でも、確実に「人生を変える」第一歩になったと言えるはずです。僕らは今、「現在進行形の一人の若者の成長物語」を目撃しているところです。
かつての池山隆寛が、青木宣親が、そして山田哲人、最近では長岡秀樹がそうだったように、急成長していく新たな才能を目の当たりにできる幸福を味わっています。今日からの武岡選手に、ますます注目したいと思います。
その一方で、昨日の試合を見ていて、気になる選手がいます。岩田幸宏選手です。6回裏、無死一塁の場面で、彼は代打出場を果たしました。多くの人が、前々日のバント失敗、その直後の交代劇を思い出したことでしょう。この場面は、間違いなくバントのサインが出るはずだ。だからこそ、思わず息を呑んでしまったのです。
ここで見事にバントを決めれば、あのときの「悪夢」を払拭し、さらなる第一歩を踏み出すことができるはずです。そしてそれは、岩田選手にとってだけではなく、起用した髙津監督にとっても、また一つ、目の前の壁を乗り越える瞬間となります。でも、もしもこの場面でもバントを失敗したら……。それは、大げさにいうならば、この試合だけでなく、今後の両者にとっても、大きな意味を持つ場面でした。