ルーキー・石井巧、粘りの16球

2002年3月2日生まれの24歳
みなさんこんにちは。7月に入って、いまだ勝利ナシ。全143試合もすでに折り返しを過ぎ、最大11あった貯金も、現在は3つ。苦しい時期がやってきました。もちろん、「いつかはこういう時期が来るだろう」とは覚悟をしていましたが、いざ実際に「そのとき」がくると、やはり重苦しい気分となります。
とはいえ、まだまだ首位とは1.5ゲーム差。ここで踏ん張れるかどうかで、これから迎える夏本番の気持ちのありようも大きく変わってきます。投手陣に疲弊が見え始め、打撃陣はずっと湿りがちの今、どうにか踏みとどまって、踏ん張って、体勢を立て直してほしい、タイガース、ジャイアンツに食らいついてほしいと、切に願います。
先週末のベイスターズ戦はよもやの3タテを喫し、フラストレーションが溜まる展開が続きましたが、その中でも唯一の、あえて「唯一の」という言葉を使いますが、個人的に唯一の希望の光となったのが、5日の8回裏、ルーキー・石井巧選手の打席でした。この回の先頭打者だった石井選手は、実に16球も粘りました。

スポナビより
スポナビの一球速報を見ると、全16球のうちストレートは6球、フォークは10球となっています。初球から7球目まではすべてフォーク。その後、2球ストレートを挟んで、さらに3球連続でフォーク。それでもファウルで食い下がる石井選手に根負けしたのか、13球目から結果球となった16球目までは4球続けてストレート。いずれも、150キロ超の威力あるボールでした。
実に見応えがありましたね。場面は、1点ビハインドの8回裏。一球ごとに神宮球場内にはどよめきが広がり、やがてそれは少しずつ大きなうねりとなり、観客の集中力が一気に高まっていくのがわかりました。
みんながマウンド上の中川虎大投手と、打席の石井選手を熱い思いで見つめていました。結果はライトフライに終わったけれど、石井選手が見せた驚異的な粘りは、確実にチームに、そしてファンに勇気を与えてくれました。
石井選手は、その前日、4日のベイスターズ戦ではプロ初ホームランも放っています。1対12と大敗した試合において、唯一の希望の光となってくれました。
6月23日の対タイガース戦では、同じくルーキーの松下歩叶選手が9球粘って、相手エースの才木浩人投手に大きなダメージを与え、チームの勝利に貢献しましたが、7月5日の石井選手もまた、実に「いい仕事」をしたと思います。
タイガース戦での松下選手、そしてベイスターズ戦での石井選手。両ルーキーが見せてくれた泥臭い姿。これこそ、今のスワローズに必要なもの、求められているものではないでしょうか。期せずして、ルーキーにお手本を示してもらったような気がします。
開幕当初、松下、石井両選手のバッティングを見ていて、「まだまだ時間がかかりそうだな……」と思っていました。もちろん、伸びしろだらけの期待のルーキーですから、これから、もっともっと伸びるのは間違いないでしょう。
けれども、彼らの吸収力、成長する力、学んでいく力というものは、僕が思っていた以上に大きいのだと思い知らされました。想像を超える成長曲線を描いている姿を見守ることができるのは、本当に幸せなことです。
そう、こういうときこそ、明日へとつながる希望の光を見出したいと思っています。そして、今の僕にとってのソレは、松下、石井両選手が見せてくれた泥臭い粘り、必死に食らいつく姿です。
2024年に青木宣親がユニフォームを脱ぎ、2025年には川端慎吾が現役引退。そして、頼れる主砲・村上宗隆が海を渡りました。そして2026年、僕らの山田哲人はいまだ一軍未出場。グラウンドには若きツバメたち、いわゆるヤンスワたちが必死に戦っています。
先日、近くの席に座っていたベイスターズファンがスコアボードを眺めながら言いました。