池山隆寛と橋本、鈴木、そして関根監督

めちゃくちゃ柔和な表情で取材に応じる池山監督(写真・太田裕史)
いよいよ、2026年のペナントレースが開幕しました。池山隆寛監督率いるスワローズは初戦、2戦目をモノにして、開幕2連勝。そして本日、高梨裕稔投手に「開幕3連勝」を託す、上々のスタートを切ることに成功しました。
今回は現地観戦しておらず、両日ともモニターにかじりつきながらじっくりとテレビ観戦をしましたが、随所に「これが池山野球なのか!」と感じさせる選手起用、采配がすでに見え始めています。監督自らマウンドに向かうシーンはなかなかいいですね。天性のスターが、監督として再び一軍グラウンドに戻ってきたことを痛感します。
また、若手中心の選手起用もすごくいい。
キャッチャー……古賀優大(初戦)、鈴木叶(2戦)
サード……赤羽由紘(初戦)、武岡龍世(2戦)
ライト……増田珠(初戦)、橋本星哉(2戦)
相手投手に応じて、左右の打者をそれぞれ配しているようですが、特に昨日の鈴木、橋本両選手が印象に残っています。とにかく強いスイングが鮮烈でした。あれだけフルスイングをしている若者の姿は、なかなか爽快でした。
彼らを見ていて、「まるで、80年代半ばの池山のようだ」としみじみと感じてしまいました。当時、まだ「ヤンスワ」という言葉はありませんでしたが、池山隆寛がヤンスワだった頃、とにかくフルスイングが気持ちのいいバッターでした。
その姿から「ブンブン丸」と名づけられたのは有名な話ですが、「三振か、ホームランか」という彼のバッティングはとにかく気持ちよかった。当たればとんでもないホームランを放ち、当時は「ミスターバックスクリーン」とも呼ばれていました。
昨年の秋季キャンプで池山監督にインタビューをしました。今のスワローズは関根潤三監督時代とよく似ています。若手の台頭を促さなければチームの浮上はない。そんな状況下で、関根監督は池山を使い続けたのです。そこで僕は、こんな原稿を書きました。
現役時代には「ブンブン丸」と呼ばれ、スター街道を一気に駆け上っていた頃、指揮官を務めていたのは、今は亡き関根潤三である。関根は「どれだけ三振してもいいから、思い切り振ってこい」と、若き才能の芽を摘むことなく、常にフルスイングすることを命じていた。
「関根監督がいたから、今の自分があるのは間違いないです。チームとして勝利を求めつつ、個人として若い選手を育てていくこと。監督となった以上、その両方を求めていくのは当然のことだけど、将来を担っていく選手に対しては、ある程度の辛抱が必要になる。もちろん、その覚悟は持っています」
池山監督の言葉を受けて、続けて尋ねます。「本当に辛抱できますか?」、それはある意味では新監督の覚悟を問う、意地悪な質問です。でも、池山監督は「もちろん」と言い切りました。
また、自身の就任会見で池山監督は、「歴代監督のいいとこ取りをしたい」と発言しました。「歴代監督」とは、関根監督であり、野村克也監督のことでもあります。そこで、僕はこんな原稿を書きました。
就任会見において、池山が口にした「いいとこ取り」を具体的に尋ねると、その表情が引き締まる。
「関根さんからは、野球を楽しむこと。結果を恐れずにいろいろな経験を積むことを学びました。そして野村さんからは、勝つ醍醐味、勝利によってみんなが幸せになることを教わりました。この2つの姿勢をいいとこ取りできれば最高です。簡単なことではないとはわかっているけど、その点を踏まえつつ頑張りたい」
関根イズムと野村の教え。それこそ、新時代の池山スタイルなのである。
関根さんからは「野球を楽しむこと。結果を恐れずにいろいろな経験を積むこと」を学んだといいます。自身が監督となった今、今度は期待のヤンスワたちに「楽しむこと、経験を積むこと」を伝える番です。
昨日の試合、追加点がほしい7回表、無死一、二塁の場面で打席に入った鈴木選手に対して、バントのサインは出ませんでした。強攻策を選択し、鈴木選手は一塁ファウルフライに倒れます。この場面で、バントではなく、20歳になったばかりの鈴木選手に自由に打たせたこと。このシーンこそ、「まるで関根監督ではないか!」と感じました。