つばめよつばめ、愛しきつばめ

荒れゆくSNSに心を痛めつつ……
長谷川晶一 2025.05.26
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こんにちは。重苦しい気分の週明けとなってしまいました。正直言って、金曜から日曜にかけて、週末の記憶が曖昧です。この72時間、私はどこで何をしていたのでしょうか? 開幕3連戦のときにも感じたように、こちらとあちら、彼我の差を目の当たりにして、「現実」という重みを噛み締めているところです。先週は5試合を行い、4敗1分と白星を味わうことができませんでした。

最後の白星は17日、神宮球場での対ベイスターズ戦。茂木選手が逆転の5号3ラン、サンタナ選手の3号ソロを含む猛打賞、宮本選手の決勝タイムリーと、浮かれ気分でビールを呑んでいたのが、はるか彼方の出来事のように感じます。あの日の宮本丈はカッコよかったなぁ……。

……週明け早々、湿っぽい始まりとなってしまいすみません。最近、僕はかつて自分が書いた本を読み返す機会が増えています。僕はかつて、『96敗 東京ヤクルトスワローズ それでも見える、希望の光』という本を出版しました。

「シーズン96敗」を記録した2017年シーズンをまとめた本です。この年、「文春野球」がスタート。僕はヤクルト担当として1年間にわたって、ペナントレースと同時進行でコラムを書き続けました。チームの調子がいいときは筆が進みます。文体も軽やかで、明るいムードが文章全体に広がっています。

一方、チームが不振のどん底にあるときには、「それでも何か希望の光はあるはずだ」と、懸命に「よかった探し」をしている自分の姿が、文章からにじみ出ています。この本には、開幕から終幕までを綴った43本のコラム、そして、翌18年からヘッドコーチ就任が決まったばかりの宮本慎也氏、石川雅規投手、真中満監督、伊藤智仁コーチのロングインタビューも追加で書下ろして一冊にしました。

この本の出版当時、僕の耳には否定的な意見も入ってきました。「96敗もした忌まわしいシーズンの記録を、わざわざ本にするのはいかがなものか?」といった意見です。なるほど、確かにおっしゃる通りです。でも、僕には明確に「この本は、絶対に出版したい」という思いがありました。その理由は明白です。

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